もしもの話が嫌いな君は、
「ねぇ、シナ!」

「なに」

「お腹空いたし、まずお昼にしようよ!お弁当作ってきたの!」


砂浜まで降りてきて、私は朝早くに用意した、シナと自分の分のお弁当を広げる。


「久しぶりにお前の料理食べるかも」

「上達してるからびっくりするよ!」

「………………さっそく、にんじん繋がってるけど?」

「………………あれ?」


ハンバーグに卵焼き、ブロッコリーにニンジンの金平、おにぎりにサンドイッチと、シナへの愛を込めて作ったお弁当。


「あ、味はどう?」

「……………うまいよ」

ふっと笑ったシナに、ガッツポーズを向けたらうざがられた。


すると、ピコンとスマホが鳴る。

相手は、陸だ。



『弁当ありがと。俺一人でも作ったけどね』



どうやら陸もお弁当を見つけたようだ。

『うまい』と追加でLINEが来ていた。
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