もしもの話が嫌いな君は、
お昼を食べ終えると、私たちは海に入ったり、砂のお城を作ったり、カニを捕まえたり、砂浜に寝転んだり。


以前来た時と同じようなことをして、遊んで、笑って。


あっという間に時間が過ぎていく。



「海って1日過ごせるもんだな」

「あと1時間後には最終バスだよ」


青かった空が橙色に染まる。

穏やかな波を眺めながら、私とシナは海辺をのんびり歩いた。



「せっかくの白いワンピースも汚れたな」

「楽しかったからいいの」



こうしてシナと二人で夕暮れの中を何度も歩いた。

シナの13センチ高い横顔を、何度も何度も見た。


その度に、好きだなぁって。

愛おしいなぁって。


心がキュッと苦しくなって。




時間が止まればいいのにって、何十回も何百回も思った。
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