もしもの話が嫌いな君は、
「コンビニ寄るぞ」

「アイス食べるー!」


二人でコンビニに寄って、パピコを買う。

ピーチ味を半分こして、「俺はコーヒーのが好きなんだけどな」とボヤくシナの声を無視して、


朝通った道を辿っていく。



「今日は夕飯どうする?」


家まであと100メートルに差し掛かり、シナがふと思い出したように聞いてきた。


「うーん…帰ってから作ろうと思ってた」


冷蔵庫には確か、卵とベーコンとレタスがあったはず。


……レタスチャーハンでいいかなぁ。


「じゃあ、うち来いよ?今夜はカレーだって朝言ってたし」

「え?!いいの!久しぶりのシナママカレー!」

「陸も連れて来いよ」

「うん!!」


夕飯がレタスチャーハンからカレーになるなんて!

こういう時、お隣さんって素敵って思う。



5年前に、父と母が海外に転勤してから、2つ下の弟の陸と二人暮らしをしている。

そんな私と弟を、お隣に住むシナん家がちょくちょく面倒を見てくれる。


最初に言い忘れてたけど、私とシナは生まれた時からの幼なじみらしいんだよね。

5歳より前のことなんて忘れちゃったから、お母さんから聞いた話なんだけど。




「それじゃあ、またあとで!」

「うん」


玄関先でシナと別れ、私は制服から部屋着に着替える。


「姉ちゃん、今日の飯は?」

腹を空かせた弟の陸が私の部屋にやって来たので、シナママカレーよと教えてやると、私を置いて陸はさっさとシナの家へ向かってしまった。
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