もしもの話が嫌いな君は、
名前も顔も思い出せない誰かを探して、2年が経った。



俺は高校を卒業し、大学へ進学。

陸は、高校三年生になり、もう間もなくに迫ったセンター試験に備えて毎日勉強に追われているみたいだ。

どうやら、俺と同じ大学に来るようだ。




「史波~。お迎え来てるわよ」

「今行く」


成人式の翌日である今日は、高校の同窓会。

といっても、高校のクラスメイト全員というわけじゃなく、仲のよかった人たちで行う近況報告会のようなものだ。


厚手のコートを羽織り、玄関を開ける。



待ち合わせは駅前だったはずだけど、迎えって………。





「久しぶり。史波くん」





雪がちらほらと降る中、俺の家の前には佐弓がいた。
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