もしもの話が嫌いな君は、
「もしも………」



今にも泣き出しそうな彼女が、震える声でこぼす。



「………もしも、もしもね」


『もしも、もしもね』



声も顔も名前もなにも、思い出せないその人も、

よく『もしも』の話をしていた。



その、続きはなんだったっけ?




くだらないと一蹴して、適当に答えていた続きの言葉を、



もう一度、思い出したいよ。













もしも、もしも叶うなら、



また俺の隣で、もしもの話をしてくれよ。













なぁ、うた。


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