もしもの話が嫌いな君は、
シューッとやかんから、お湯が沸いた音がした。



カップラーメンにお湯を注ぎ、時計を確認する。


時計の針はもうすぐ、6時を回ろうとしていた。











ポタッ……




それは、突然だった。


俺の目から勝手に涙がこぼれ落ちた。




涙は止まるどころか、どんどんと込み上げてくる。





『陸』


そう、俺を呼ぶあの声を。



『もしも、もしもね。

もしも、寂しくなったら………』




どうして俺は、忘れることが出来たのだろう。











「姉ちゃん…………っ」






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