Dance with me？〜魔法のダンスパーティー〜

「それで？さっきからどうしてうつむいてるの？私が話を聞いてあげる！」

フレイヤがそう言い、力強く笑う。どんな笑い方でもフレイヤの笑顔は人々を虜にする。親友のマーガレットさえ、羨ましいと思ってしまうほどだ。

「えっと……その……ダンスパーティーのことで……」

マーガレットは顔を赤くし、うつむく。マーガレットは毎年ダンスパーティーには参加せず、一日中好きな読書をして過ごしていた。しかし、今年はふと参加したいと思ってしまったのだ。

「パーティーに参加したくなった理由ってやっぱり彼？」

意地悪に笑い、フレイヤは前方を指差す。マーガレットたちの数歩前を女子たちの熱い視線を浴びながら歩く男子がいた。金髪に碧眼、スラリとした身長の彼ーーーラジ・ルーピンの姿を目にしただけでマーガレットは緊張し、胸を高鳴らせてしまう。

「図星？」

フレイヤに見つめられ、マーガレットはゆっくりと頷く。マーガレットは去年の冬からラジのことが好きだ。叶わないとわかっていても、この想いは止められない。