Dance with me?〜魔法のダンスパーティー〜
「その図鑑、僕が戻してあげるよ。女の子が怪我しちゃダメだし」

「ありがとう……」

ラジはそう言って、図鑑を棚の上に戻してくれた。背の高い彼は背伸びをすれば届いてしまう。

ラジはこうして困っている人がいれば誰でも助けている。自分だけが優しくされているわけではない。それでも、マーガレットは叶わないとわかっていても恋に落ちてしまったのだ。

ラジとはそれ以来深く関わることはなかった。二年生になって同じクラスになっても、するのは挨拶くらいだ。隣の席だというのにまともに話したことがない。いつも、彼を目で追うので精一杯だ。

もっと話してみたい、マーガレットはそう思うが時間は進んでいく。今日も授業が始まっていくのだ。



授業を終えた後、マーガレットは急いでかばんに教科書を詰めていく。今日の放課後はフレイヤとダンスパーティーで着るドレスを選びに行く約束をしているからだ。

「……とは言っても、フレイヤとは違って私にはまだ一緒にパーティーに行く相手もいないんだけど」
< 7 / 17 >

この作品をシェア

pagetop