初恋のキミに、さよならを
私は、ずるいかもしれない。
りくに何も言わず、この町から去ろうとしていることに。
伝えたい言葉たくさんあるのに。
ーー『今まで、ありがとう』
と、キミに感謝の気持ちを伝えたかった。
ーー『たくさんケンカもしたけど、とても楽しかったよ』
キミがそばにいてくれるだけで私は笑顔になれたんだよって。
それに‥‥‥
ーー『ずっと前から、りくのことが好きだったよ』
って言いたかった。
でも、この言葉は彼女がいるキミに言ってもきっと困らせてしまうだけだよね?
りくが好きなことは誰も知らない。
親友の美咲に、それに家族でさえ伝えていない。
私の心の中にずっと留めている想い。