初恋のキミに、さよならを

さっきは逸らしてしまったりくの目をしっかりと見て伝えたかった言葉を伝えよう。

「りく、今までありがとう」

「こっちこそ、ありがとな。桜と友達になれてすげー楽しかったぜ」

“友達”というワードに少しひっかかるけど‥‥‥

私が“好き”と言わない以上、りくが“友達”と言う以上、今まで一緒にいられたんだと思う。

「私もだよ。たくさんケンカもしたけど、とっても楽しかった」

3人と過ごした日々がまるで昨日のことのように蘇る。

どれもこれも楽しくて、いつも笑顔が溢れていた。

本当は、ずっと続けばいいなと思ってた。

キミの好きな人になれなくても、キミの隣にいたかった。

キミの笑顔をもっと見たかった‥‥‥

泣かないように必死に我慢していること。

どうか、りくには気付いていませんように‥‥‥
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