初恋のキミに、さよならを
「出発するよ」
お父さんの合図で車が進む。
私は、窓を開けりくに精一杯手を振った。
すると、りくも笑って手を大きく振り返してくれた。
だんだんとりくの姿が遠くなっていく。
曲がり角に差し掛かり、りくの姿が見えなくなった途端、私の目から一筋の涙が零れ落ちた。
‥‥‥さよなら、りく。
大好きだったよ。
本当は、友達以上になりたかった。
それに、離れてしまってもりくが特別な人に変わりはない。
でもね‥‥‥
もういくら願っても叶わない恋は今日でおしまいにする。
今度は、私のことを“好き”って言ってくれる人に出会いたい。
頬を伝う涙をそっと拭った。