年下皇帝の甘い誘惑
「それじゃあ、私はこれで失礼します。」

「ああ、また。」

カイが手を振ったから、つい反射的に手を振ってしまった。

しかも、カイは笑っている。

余程、日本から来た私が、面白かったのかな。


「気さくな方だったでしょう。皇帝陛下は。」

「はい。って言うか、私これからもカイって呼んでいいんですか?」

「いいのでは?ただ、二人だけの時だけですよ。皆といる時は、皇帝陛下と呼ぶように。」

「はい。」

そりゃあ、そうだよね。

皆の前でも、平気で「カイ~」なんて呼んでいたら、日本から来たあの女はバカか?と思われるもんね。

気を付けよう。


「さあ、今日はこの辺にして。食事にしましょう。今日はあなたの歓迎会だそうですよ。」

「うわあ。嬉しい。」

お城のキッチンに行くと、豪華な料理がたくさん作られていた。

「皆さん、ありがとう。」

華やかな宴は、夜遅くまで続いた。
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