年下皇帝の甘い誘惑
レーナは涙をぽろぽろと溢し始めた。

「せっかく、皇帝陛下と恋人同士になれたのに、それが負担になっているの?」

するとパウリは、レーナの肩を掴んだ。

「涼花が日本から来て、まだ1カ月経っていない。普通なら新しい環境や、新しい職場に慣れるだけで精一杯なのに。その上、皇帝陛下との恋愛や、王妃になれとか言われたら、それは考えてしまうさ。」

「私達はただ、二人に幸せになってほしいだけなのに。」

「時間が必要なんだよ。涼花には。」


違う。

私はカイとの恋愛に、悩んでいるんじゃない。

本当は、王妃になってもいいって言われて、嬉しかったの。

でも、結婚するには……結婚するには!


『俺の側から離れようとするなよ!涼花!』


「はっ!」

私は一瞬で、目を覚ました。

「涼花!」
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