年下皇帝の甘い誘惑
レーナは私の手を握ってくれた。

「大丈夫?キッチンで、倒れそうになったんだよ。」

「そう……」

私は顔を手で覆った。


「涼花、最近疲れてないか?」

パウリが心配そうに言った。

「王妃になる事、そんな真剣に考えなくても、いいと思う。」

「パウリ!」

レーナがパウリを止めた。

「だってそうだろう。急に日本からやってきて、王妃になれなんて、無理だよ。」

「そうだけど……」

「涼花も皇帝陛下もまだ若い。結婚は焦っては駄目だよ。」

パウリの言う事も、納得いく。

でも私が考えているのは、別の事で。

「パウリ、レーナ。心配してくれて、ありがとう。でも、私は何でもないから。」

「涼花。でも倒れそうになった。」

「うん。体調管理はちゃんとしておくね。」
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