年下皇帝の甘い誘惑
そしてテームさんから、そのまま休んでいいという事付けがあって、私は家で休んでいた。


結婚の事で、元カレを思い出すのは、カイにも失礼だと思う。

でも、今でも蘇る悪夢を、取り払う事はできない。

それまで私は、結婚できないんだわ。

アラサーだって言うのに、嫌になっちゃう。


その時だった。

家のドアを叩く人がいた。

「誰だろう。」

ベッドから起き上がって、玄関を開けると、そこにはカイが立っていた。

「カイ……」

「仕事中に倒れたんだって?」

カイは家の中に入った。

「もっと早く知らせてくれたら、涼花をここに運べたのに。」

辛そうな表情。

私をそんなにも、心配してくれたのね。


「大丈夫、心配しないで。」

「そんな事言っても、ダメだよ。僕は涼花の顔を見れば、大丈夫かどうか分かる。」
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