年下皇帝の甘い誘惑
そしてカイは、キッチンの横にある椅子に座った。

「何かあった?」

元カレの事なんか言えない。

「僕が結婚してって、言ったから?」

何も言えない。

「涼花、教えて。君の苦しみを、僕にも分け与えてほしい。」

何て言ったらいいか、分からない。

「涼花、愛しているんだ。」

カイは立ち上がると、私を抱きしめた。


「涼花。僕を信じられないのか?」

ハッとした。

「何を聞いても、答えてくれない。結婚してと言っても、ダメだという。そんなに僕を信じられないのなら、いっそ嫌いだと言ってほしい。」

「カイ……」

嫌いだなんて。

そんな事言えない。

「カイ。私も、あなたを愛している。」

「じゃあ、なんで?なんで何も答えてくれない?」
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