年下皇帝の甘い誘惑
カイが、元カレとだぶる。

「ごめんなさい……」

「涼花?」

「ごめんなさい、怒らないで。」

私は身体を震わせながら、涙を溢した。

「涼花、おいで。」

カイが両腕を広げて、待っている。

「怒ってないよ。さあ。」

私はそっと、カイの腕の中に飛び込んだ。


「僕はね、涼花の力になりたいんだ。生きる力になりたいんだ。でも涼花が、僕を信じてくれなきゃ、それはできない。分かるね。」

「うん。」

「だったら、話せるところまで、話して。」

私はうんと頷いた。

「私、カイと結婚できないかもしれない。」

「どうして?」

「怖いの。昔の恋人が、結婚を言いだした途端に、暴力を振ってきて。」

「可哀相に。どうして、そんな事をするんだ。」
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