年下皇帝の甘い誘惑
「じゃあ、また後で。」

「うん。」

そしてカイは、お城の中に消えて行ってしまった。

「私達も仕事、頑張ろう。」

「うん!その意気だよ、涼花。」

レーナと一緒にキッチンへ行くと、私は包丁を使って、野菜を切り始めた。

「あっ、涼花!包丁は……」

「大丈夫。それに私が今まで包丁で怪我した事、ある?」

「ないけど……」

「これからもないわよ。きっと。」

そして続々と集まってきた料理人も、私が包丁を持っている事に驚いている。


私は皆の前で、堂々と宣言した。

「皆さん、私は一介の料理人です。皇帝陛下と恋人同士だからと言って、特別扱いしないで下さい。」

辺りはシーンとなった。

「もし、万が一私が王妃になったとしても、今と変わりません。皇帝陛下の為に、皆さんの為に働くだけです。これからも、宜しくお願いします。」

すると皆から、拍手が起こった。

「分かったよ、涼花。俺達は君に遠慮していたのかもしれないね。」

「これからは、同じ料理人として、君と接するよ。」
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