年下皇帝の甘い誘惑
「ありがとう、皆。」

遠目でテームさんは、ウィンクしている。

よかった。これで、皆ともっと分かち合える。


「さあ、朝食ができた。皆、運ぶぞ。」

「はーい!」

そして料理人と使用人達で、食事を2階に運ぶ。

「あっ、涼花。あなたは料理を運ばなくても。」

使用人の一人が、私を気遣ってくれた。

「ううん。気を遣わないで。私は料理人だから。」

「はい……」

そう。未来はどうなるか分からない。

カイともし結婚できなくても、ここで働けるように、頑張らなきゃ。


「皇帝陛下、朝食をお持ちしました。」

「ありがとう。」

今朝、一緒に起きたカイが、皇帝として椅子に座っている。

「失礼します。」

そして私は、いつものように、カイの斜め横に座る。
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