年下皇帝の甘い誘惑
それからしばらくしての事だった。

昼食を作っている時に、アルッティさんが、私を呼んだ。

「表に、涼花の友人だと言う人が来ているのだが、心辺りはありますか?」

「友人?」

まさか。ルシッカに日本人の友達なんていないし。

外国に旅行しているという友達もいない。

「男性ですか?女性ですか?」

「男性だ。」

うーん。増々分からない。

「断りましょうか?」

「……いいえ。ちょっと見てきます。」


キッチンを出て、正面玄関に行くと、一人の日本人男性が立っていた。

「お待たせしま……」

話しかけて私は、ハッとした。

そこにいたのは、元カレの明だったからだ。

顔を見なくても、後ろ姿で分かる。

どうしてここにいるの!?
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