年下皇帝の甘い誘惑
どうしよう。

私は柱の陰に隠れて、アルッティさんが通るのを待った。

でも、それはいとも簡単に、明に見つかってしまった。

「なんだ、そこにいたのか。」

「あ、明!?」

「呼んでも来ないから、探しに来たら、柱に隠れているなんて。おまえらしいな。」

「どうしてここを!?」

「わざわざ探偵に頼んで、探させたんだよ!どこに行ったかと思えば、こんな立派なお城で料理人?金はたんまり貰っているんだろう?後で探偵代、払えよな。」

すると明は、私の腕を掴んだ。

「何をするの!?」

「日本に帰るんだよ。俺達、約束しただろ。結婚するって。」

「止めて!日本には帰らない!」

その瞬間、私の頬に平手打ちが入った。

「嫌とは言わせねえぞ。おまえは俺のモノだ。」

明の鋭い視線に、立ち眩みがする。

「あっ……」

私はその場に、膝を着いた。

「何やってんだよ、のろまが!」

今度はケリが入る。

「おまえを探すのに、いくらかかったと思ってるんだ!ああ?俺の手を煩わせるんじゃねえぞ!」

明の手が上がった。

また殴られる!
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