年下皇帝の甘い誘惑
だけど、いつまで経っても、痛みはない。

思い切って目を開けてみると、誰かが明の腕を掴んでいた。

「涼花に触るな!」

「はあ?何だ、てめえ。」

「この国の皇帝、カイネンⅢ世だ。」

「こ、皇帝?」

明は手を振り払うと、一歩下がった。


「カイ!」

「涼花。」

私はカイの胸の中に飛び込んだ。

「そういう事かよ。」

明はまた鋭い目つきになった。

「他所の国に来たと思いきや、皇帝に尻振りやがったな!」

明はまた私に、罵倒を浴びせた。

「おまえがそんな尻の軽い女だったとはな!」

「止めろ!俺の大切な人に、汚い言葉は止せ!」

カイの言葉に、怯む明。

「なんだよ。この国の皇帝は、人の女を寝取っているのか!」
< 117 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop