年下皇帝の甘い誘惑
お城のキッチンに着くと、まだ誰もいなかった。

「私達が一番乗りね。」

私はふぅーと息を吐いた。

「よかった。今日から出勤なのに、皆よりも遅かったら、どうしようかと思った。」

「ははは。今日は昨日の歓迎会で、皆遅刻よ。」

そんなんでいいのかなと思いながら、レーナの指示に従って、手洗いを済ませる。

「こういう時って、どうするの?皆が来るまで待つの?」

「朝食のメニューは決まっているの。それに皇帝陛下は、朝はゆっくりだから、そんなに慌てなくて済むの。」

あのきっちりとした感じの人が、朝遅い?

なんだか、イメージと違う気がする。

「皇帝陛下、私達が遅くまで夕食を楽しんでいる事、知っているのよ。だから朝はゆっくりにして、皆の楽しみを奪わないようにしているの。」
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