年下皇帝の甘い誘惑
第12話 婚約者
問題はこれだけでは、治まらなかった。

「アイニー様、落ち着いて下さい!」

「これが落ち着いてられますか!」

バンッとキッチンのドアが開く音がした。

「涼花って、どの女!?」

見ると、お人形さんのような可愛い人だった。

「えーっと……涼花は、私ですけど……」

するとその可愛い人は、私を上から下まで、舐めるように見回した。

「大した女じゃないねわ。」


ちょっと。初対面の女の子に、そんな事言われる筋合いないよ?

「それで、皇帝陛下をたぶらかすなんて、どんな技を使ったの?」

「えっ?」

「あなたでしょ。皇帝陛下の恋人って言うのは!」

突然の事で、頭が回らない。

「えーっと、何しに来たのでしょう。」

「あなたの顔を見に来たのよ。」

「私の顔を?」
< 121 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop