年下皇帝の甘い誘惑
物々しい雰囲気に、パウリもレーナもやってきた。

「あっ……アイニ―姫……」

「姫?」

レーナが顔を白くしている。

「あなたって、ルシッカの事、本当に知らないのね。私は王族よ?皇帝陛下のお父様の弟の娘よ。いわゆる従姉妹。」

「はぁ……」

「もう一つ言わせて頂くと、皇帝陛下の婚約者よ。」

「婚約者……」


ー 皇帝陛下には、婚約者がいるからね -

ー 親が勝手に決めた結婚だ -


この人が……カイの婚約者。

「今は恋人だっていいわ。私と結婚するまではね。」

私は黙っていた。

「あなたに、カイは渡さない。カイを危険な目に遭わせた女なんかに。」

私はハッとした。

「あれは、陛下を巻き込んでいないわ。」

「お城の中での暴動は、全て皇帝陛下のお膝元で起こった事よ?汚したのも一緒だわ。」
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