年下皇帝の甘い誘惑
アイニーさんは、鋭い目で私を見つめた。

「アイニーさん……」

「姫よ!」

「……アイニ―姫。皇帝陛下は、私に結婚を申し込んでくれました。」

「なんですって?」

「あなたの事は、ご両親の決めた事。ご両親が亡くなった今、その約束は無しだと、陛下はおっしゃいました。」

アイニ―さんは、身体を振わせている。

「よくも……よくも……カイをそこまで……」

アイニーさんは、近くにあった棒を持つと、私の目の前で振り上げた。

「危ない!」

間に入ってくれたのは、パウリだった。

「邪魔よ!おどきなさい!」

「涼花を叩いても、何の解決にもならないでしょう。とにかく落ち着いて下さい、アイニー姫。」

そこでアルッティさんが、アイニーさんから棒を奪った。

「一度、皇帝陛下とお話合いをされては如何です?」

「……分かったわ。」

そう言ってアイニーさんは、キッチンを出て行った。
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