年下皇帝の甘い誘惑
アイニーさんが、泣きながら私を指差す。

「そうか。君が。」

私どうなるんだろう。

「少し、話はできるか?」

「……はい。」


きっと、身を引けとか言われるんだわ。

でも、私は絶対カイと結婚する。

二人で、幸せな生活を手に入れてみせるわ。


叔父様は、執務室から少し離れた、庭を見渡せるバルコニーに、私を連れてきた。

「君は、ルシッカに来てどのくらいになる?」

「1カ月です。」

「何をきっかけに、皇帝陛下と仲良くなったんだ。」

「……朝食を、一緒に食べた事です。」

「朝食を?皇帝陛下が、一介の料理人と?」

叔父様は、ひどく驚いていた。

「なんて事だ。知っていたら、とうの昔に止めていた。」

私の存在は、こんなにもカイの身近な人を、落胆させるのね。
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