年下皇帝の甘い誘惑
キッチンに戻って来た私は、テームさんに挨拶をした。

「急なお話で申し訳ありません。ここを辞める事になりました。」

「おう!」

テームさんは、ものすごく悲しんでいる。

「何があったんだ?」

「やっぱり私は、皇帝陛下の側にいては、ダメなようです。」

「そんな事はない!」

テームさんは、必死に否定してくれた。

それだけでいい。

「お世話になりました。」

頭を下げて、キッチンにある裏側から、お城を出た。


「涼花!」

レーナとパウリが、追いかけて来てくれた。

「どうして、涼花がここを辞めなければならないの!?」

「ごめんね。レーナ。」

「アイニーの仕業だね。」

「いいえ。アイニーは、何も知らないわ。」

「ああ、涼花!」

二人はまた泣いている。
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