年下皇帝の甘い誘惑
「今までありがとう。二人がいたから、乗り越えられてきたの。」

「ここを辞めて、どこに行くんだ!」

「知り合いのお店に。」

「ルシッカに、知り合いなんていないだろう!」

パウリも別れを惜しんでくれる。

「大丈夫よ。私はルシッカにいるわ。じゃあね。」


私は二人に別れを言うと、私は自分の部屋に行った。

「この家に住んだのも、1カ月だけだったわね。」

初めて来た時は、新しい家にワクワクしていた。

そして荷物をまとめた。

「あっ、このワンピース。初めて、カイとデートした時に着ていた……」

涙が零れ落ちた。


あんなに好きだって言われて、キスして、抱き合った人はいなかった。

心から結婚したいと思った人。

カイ、何も言わずに去ってしまって、ごめんなさい。

でも、私はルシッカにいるから。

あなたの仕事を、一緒の国で見守るから。
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