年下皇帝の甘い誘惑
私が荷物を持って外に出ると、一人の使用人が待っていた。

「涼花さんですね。」

「はい。」

「スティール伯爵の命令通り、あなたを隣の町に誘導致します。」

「……お願いします。」

私は車に乗った。

「行先は、隣町なんですね。」

「はい。そこにスティール伯爵の別邸がありますので、そこで暮らすように言われています。」

「そうですか。」


車がお城を離れていく。

カイと一緒に過ごした1カ月。

夢のようだった。


「元気で……カイ。」

私の頬に涙が零れた。
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