年下皇帝の甘い誘惑
ねえ、カイ。

今、何をしている?

私は、なんとかやっているよ?

目を瞑ると、いつもカイの笑顔が浮かぶ。

「涼花。息子、今日来れるって。」

私は、涙を拭った。

「どうしたの?涼花。」

「何でもないです。」

私はマーサさんに笑顔を見せた。

ここに来て、少なからずマーサさんに、元気づけられたのは、有難いから。


そして、夕食を作っていると、玄関のチャイムが鳴った。

「ほら、息子だ。」

マーサさんは、いそいそと玄関に迎えに行った。

「涼花、これが噂の息子だよ。」

「初めまして……」

私はその息子さんを見て、驚いた。

「涼花……」

「アルッティさん?」

「ええっ!?」

お互い指をさしながら、大きな声を出した。
< 134 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop