年下皇帝の甘い誘惑
「なんだよ、二人、知り合いだったの?」

マーサさんは、大笑い。

「知り合いと言うか、涼花を日本から連れて来たのは、俺なんだ。」

「何だって?じゃあ、あんた涼花の事を?」

「違うよ。皇帝陛下の為に、連れて来たんだ。」

私はアルッティさんを見た。

「カイの為に?」

「ああ。皇帝陛下のお母上に、少し似ていてね。そう言えばお母上様の祖母が、日本人だったって噂で聞いたな。」


まさか、カイが日本人の血を引いていたなんて。

「皇帝陛下の心が少しでも癒されるようにと思って、連れて来たんだ。でも、まさかこういう事になるなんて……」

私とアルッティさんは、下を向いた。

「こういう事って?なんでそんなうつ向くの?」

マーサさんは、私達の事を心配している。

「……涼花は、皇帝陛下の恋人なんだ。」

「なんですって!?」

マーサさんは、大きな声で驚いていた。

それはそうだよね。
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