年下皇帝の甘い誘惑
「なんで、皇帝陛下の恋人が、こんなところに?」

「いや、俺も今知った。どういう事なんだ?涼花。」

アルッティさんだったら、話してもいいかな。

「……カイの叔父さんに、言われて。」

「伯爵に?何て?」

「お城を出ないと、日本へ強制送還させるって。」

「あの、クソ親父!」


アルッティさんから、そんな言葉が出てくるなんて、それこそ驚き。

「皇帝陛下は、この事を?」

「知らないと思う。」

「お城でも探していたんだ。でも伯爵が上手く誤魔化している。直ちに知らせないと。」

「待って、アルッティさん。今は、知らせないで。」

私はアルッティさんの腕を掴んだ。

「どうして!?」

「もう、カイの事は忘れるから。」

「なんだよ、それ。皇帝陛下の気持ちも分かれよ。」

カイ、私がいなくなって、少しは寂しいって思ってくれているのかな。
< 136 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop