年下皇帝の甘い誘惑
私がカイの側にいたら、私は日本に返されてしまう。

こうして、遠くから見守っていた方がいい。


そしてある日、思いがけない出来事にあった。

ふと料理に使う材料を取ってこようと、倉庫の方に行った帰りだった。

誰かが、キッチンの裏口に、花束を置いていた。

「カイ……」

その人がこちらを見た。

「涼花。」

やっぱりカイだ。

花束を届けてくれたのは、カイ自身だったんだ。


「見られてしまったな。」

「知ってたわよ。カイは……花束を人に届けさせるような人じゃないもの。」

カイは私の側にくると、柔らかく抱きしめてくれた。

「どうして、私に会っていかないの?」

するとカイは、私の髪を撫でた。

「聞いた。叔父が君をここに連れて来たって。」
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