年下皇帝の甘い誘惑
「じゃあ、後は何が問題なのですか?」

「問題は、私の心よ。」

「涼花の気持ち!?」

いちいち嫌みのように返してくるなんて、意地悪いアルッティさん。

「だって、私はただの料理人よ?一国の皇帝となんて、結婚できないじゃない。」

「だったら涼花は、どんな人だったら、結婚できるというんですか?」

「それは……普通の人よ。」

「普通の人って?」

「普通は普通よ。同じ身分の人よ。それで普通に愛し合って……」


途端にカイの顔が、浮かんだ。


「答えは出たんじゃないですか?あなたと皇帝陛下は、普通に愛し合っているじゃないですか。」

私はため息をつきながら、アルッティさんを見た。

「どうしてそんなにアルッティさんは、カイと私をくっ付けようとするの?」

「俺はただ、皇帝陛下に幸せになってほしいだけです。それに……」

「それに?」

「涼花は、俺が見込んだ人だから。安心して、皇帝陛下を任せられるんですよ。」
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