年下皇帝の甘い誘惑
カイは、皆の愛に包まれて、日々暮らしているんだわ。

だから、彼の暴力に耐えかねて、逃げるようにルシッカへ来た私も、温かく受け入れてくれたのね。


朝食を終え、私達は料理を入れていて器を持って、キッチンへ戻った。

「やれやれ。皇帝陛下は、日本人の料理人を気に入ったらしい。」

パウリが、嬉しそうに皆に話す。

「よかった。異国の料理人だって聞いて、皇帝陛下が気に入って下さるか、気になっていたんだよね。」

レーナが、ほっと息を吐く。

「日本人というのが、きいたんだろう。」

料理長のテームさんも喜んでいる。


「よかったな、涼花。これでルシッカで、料理人できるな。」

皆が笑顔で、私を包んでくれる。

自然に涙が出た。

「涼花?」

「ごめんなさい。泣いたりして。」
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