年下皇帝の甘い誘惑
「何か、気に障る事でも言った?」

テームさんも、おどおどしている。

「違うんです。外国人の私が、急にやってきて、皆さんに受け入れて貰った事が、嬉しくて……」

皆、それを聞くとはははと笑った。

「ルシッカは、元々少数民族の集まりの国だよ。どこ出身とか気にしていたら、キリがない。」

「そうなんですか?」

「それに、日本は皇帝陛下を大切にしてくれた、唯一の国なんだよ。」

「えっ?」

私は驚いた。

大切にしてくれた唯一の国って……

「ルシッカ王国って、初めて聞くだろう?小さな国の皇帝なんて、どこも相手にしてくれないのよ。でも日本だけは違った。ちゃんと皇帝の扱いをしてくれたと、聞いたわ。」

逆に、皆の方が涙ぐむ。

「ありがとうを言うのは、ルシッカの方よ。」

皆うんうんと、私と日本を受け入れてくれている気がした。
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