年下皇帝の甘い誘惑
「涼花。そうだよ。明日の日本食は、僕が望んだ事だ。」

「それは、私が朝食を、パンしか食べていないと、言ったせいですか?」

「涼花……」

「私は不安です。このまま宮殿が、日本に侵食されるのではないかと。」

「シンショク?」

「日本一色になる事です。」

私とカイは、下を向いた。

「だとしても、僕が望んだ事だ。涼花が不安に思う事はない。」

カイは、私の肩にそっと触れた。

「でも……」

「僕が涼花に、喜んでもらいたいだけなんだ。」

私は顔を上げた。

「ね。明日の事は、気にしないで。」

「はい……」

そう返事をすると、カイは行ってしまった。


キッチンへ戻って来た私に、皆、注目している。

「明日の朝は、日本食でいいそうです。」

皆、安心していたようだけど、私一人は、そんな気分になれなかった。
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