年下皇帝の甘い誘惑
「ううん。」

「皆は一人の為に。一人は皆の為にだ。」

その言葉は、今の私にスーッと入ってきた。

皆、私を向いてくれている。

私、一人の為に。

「遠くから来た涼花一人を思う事。俺は皇帝陛下が悪いとは思わない。むしろ、心優しい、付いて行くべき人だと思う。そして涼花は、俺達の為に日本食を用意してくれた。それでいいじゃないか。」

「パウリ……」

二日酔いの時には、涙もろくなる。

どうしてだろう。

この国に来てから、感動して涙が出そうになってばかりだ。


「ねえねえ。皇帝陛下って、涼花の事、好きなのかしら。」

お昼休み、レーナとお昼を食べていると、吹き出しそうになった。

ちなみに、私のお昼のメニューは、卵粥。

二日酔いに効くメニューだ。
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