年下皇帝の甘い誘惑
「それは……」

パウリと行くと言えなくて、黙っていると、パウリがやってきてしまった。

「皇帝陛下……こんばんは。」

「こんばんは、パウリ。」

パウリは私とカイに遠慮して、一歩下がっている。

「そうか。パウリと街に行くのか。」

正直、知られたくなかった。

「もしかして、二人付き合っているの?」

「えっ!」

私とパウリが、同時に声をあげる。

「冗談だよ。じゃあ、僕はお城に戻るね。楽しんでおいで。」

「はい。」


カイがお城へ戻って行く為に、背中を向ける。

その姿を見て、寂しいと思ってしまう。

誤解したかな。

パウリと仲がいいって。


「さあ、行こうか。涼花。」

「うん。」

お城から街へは、一本道だ。

クネクネと曲がった大きな幅の広い道を、街灯と共に進んで行く。
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