年下皇帝の甘い誘惑
するとカイは、私の持っていたブーケに、気づいたようだ。

「それ、パウリから?」

「あ、ああ……」

私はパウリから貰ったブーケを、後ろに隠した。

「……好きとか、言われた?」

胸騒ぎがする。

なんて答えればいいか分からない。

「教えて。とても気になるんだ。」

カイに言われて、口が勝手に動いた。

「愛しているって言われたの。恋人になってほしいって。」

その瞬間カイは、私を片手で抱き寄せた。


「断って。パウリの告白、断って。」

「……カイ?」

「断って。その代り、僕の恋人になって。」

「えっ?」

私はカイの顔を見た。

真剣な瞳が、私を見降ろす。

「これは、僕が貰っておくよ。」

そう言ってカイは、パウリから貰ったブーケを、私から奪い取ってしまった。

「いいね。涼花は、僕の恋人になるんだよ。」

私の気持ちも知らずに、カイはブーケを持って、お城へ戻って行ってしまった。
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