年下皇帝の甘い誘惑
「小さい時から知っている方にした。」

「幼馴染みって事?」

「うーん。違う気がする。小学校の同級生。知っている方が、安心する。」


そうだよね。

私もきっと幼馴染みがいたら、そうしている。


「涼花は、何で迷っているの?」

「……身分かな。」

「身分?なにそれ。」

「自分が偉いかどうかって事。」

「そんなに偉い人なの?」

「そうね。」

そしてオーブンの型に、小麦粉を混ぜた物を流し込み、オーブンに入れた。

「ルシッカの人、身分気にしない。」

「ルシッカはそうだけど、日本は気にするのよ。」

私はため息を軽くついた。

「相手も、身分なんて気にしていない。愛の前では、同じ人間。」

悔しいくらいに、レーナの言う事が、胸に刺さる。
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