年下皇帝の甘い誘惑
きっと、カイもそう言うと思う。

一人の人間として、私を好きになってくれたのだと思う。

「でもね。周りの人は反対する。」

「そう。」

アルッティさんだって、まさか見知らずの料理人を連れて来たら、ご主人様と恋愛していますなんて、許さないと思うのよね。

「何故か涼花の話聞いていると、その人を好きみたいだね。」

私はドキッとした。

「パウリは振られるんだね。」

「ちょっと!まだ決めてないわよ。」

「どうして?涼花の気持ち、もう決まっている。」

レーナの言葉に、しんみりしていると、焦げた匂いが香ってきた。

「ヤバい!焼き過ぎた!」

「ヤバイ?ヤバイ?」

また変な日本語、教えてしまった。レーナに。

慌ててオーブンから出すと、表面は焦げてしまっていた。
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