年下皇帝の甘い誘惑
「今から?」

「善は急げって言うでしょ。」

レーナは私の背中を押すと、パウリのいる裏小屋に連れて行った。


「なに?」

パウリはちょっと、不機嫌そうだった。

「ごめんなさい。仕事で忙しい時に。」

するとパウリは、小麦の入っている袋を、床に置いた。

「いや、涼花の話だったら、いつでも聞くよ。」

「ありがとう。」

私は扉の外にいるレーナの方を、チラッと見た。

きっと私に、頑張れってエールを送っているわ。


「あのね。この前の告白の事なんだけど。」

「告白?恋人になってほしいって、言った事?」

「うん。」

「へえ。日本語で告白って言うのか。また新しい言葉、覚えた。」

パウリは、やっぱり明るい。

こんな時でも、前向きになるだなんて。
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