年下皇帝の甘い誘惑
「……陛下にも、断るつもりよ。」

その言葉を聞いて、レーナも小屋の中に飛び込んできた。

「どうして!?涼花、皇帝陛下の事、愛しているのに!」

「愛しているからこそよ。こんな、日本から来た訳の分からない女じゃなくて、もっと……」

カイへの気持ちが溢れた。

「国民に愛される人と、一緒になってほしい。」

「涼花……」

すると今度は、パウリは号泣している。

「どうして、愛し合っている二人が、結ばれないんだ!」

「そうよ!おかしいよ。涼花、考え直して。皇帝陛下を愛している気持ち、大切にして。」

私の為に、泣いてくれるなんて。

なんていい人に巡り合えたんだろう。

ありがとう、パウリ。そしてレーナ。


2人と別れた後、私はお城を出て、自分の家の方向に向かった。
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