年下皇帝の甘い誘惑
もしかしたら、カイが窓から見ているかもしれない。

ただそれは、私の勘違いで、窓にはカイの姿はなかった。

あっ、だったらあのお庭にいるかも。

そう思ったら、勝手に足が動いた。


お城の庭までは、ちょっと歩く。

何せ、大きなお城だからね。

裏側に行くまで、だいぶ時間がかかる。

「あー!こんなに歩いて、告白を断らないといけないなんて!」

見上げた空は、まだ青くて、眩しかった。

まるでカイのように、眩しかった。


そして、風が吹き抜けた時、庭への扉が開いた。

眩しい光の中に、一人の男の人が立っている。

「涼花?」

「その声は……カイ?」

眩しい光を遮るように、額の上に手をかざすと、そこには軍服を着たカイが立っていた。

「まさかこんな場所で会えるなんて、思ってもみなかった。」
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