年下皇帝の甘い誘惑
するとカイは、自分の上着を私に羽織らせた。

「これで寒くない?」

「うん。」

「よし。さあ、行こうか。」

さり気なく私達は手を握って、街のパブにやってきた。


誤算だったのが、予想以上にカイの隣は、目立つって事。

ただし、ルシッカの言葉だから、意味は分からないけれど。

絶対、「あれ、誰?」「日本人?」とか言ってるよ。


「いつもは何飲んでるの?」

「ビール。」

「じゃあ、僕もビール。」

2人で頼んで飲んでいると、周りがニヤニヤとこっちを見ている。

なんだろう。カイって、公式のアイドルみたいな存在?

「カイはいつも、街に来て飲んでるの?」

「たまにね。国民と、親睦も深めたいし。」

そうか。そういうところが、ルシッカの人に慕われる理由なのね。
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