年下皇帝の甘い誘惑
なんだか嬉しくて、涙が出た。

「ありがとう。日本を知ってくれて、ありがとう。」

「おいおい、泣かなくてもいいよ。」

「そうよ。ルシッカは、日本好きよ。」

涙を拭くと、私は笑顔を見せた。

「明日から働きます。宜しくお願いします。」

皆から拍手が上がった。

心機一転、ここで頑張ろう。


「涼花。もう一人、紹介する。」

「はい。」

アルッティさんの後をまた歩いて行くと、お城の庭に出た。

「うわーすごい……」

「でしょう。ルシッカ王国の中で、一番花が咲き乱れている場所です。」

色とりどりの花を見ながら、私はアルッティさんの後を歩く。

「ああ、あそこにいる方が、もう一人引き合わせたい人だよ。」

アルッティさんが指さす方向には、軍服を着た一人の青年が、立っていた。
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