年下皇帝の甘い誘惑
飲み始めて、しばらく経っての事だ。

ビールはまだジョッキに少しあると言うのに、カイの顔が赤くなっている。

「カイ、酔っぱらった?」

「ん?」

目がトロンとしていて、なんだかポヤポヤしている。

カイがこんなに、お酒が弱いだなんて、知らなかった。

「無理して飲む事はないわよ。」

「うん。」

分かってるのか分からない。

私はお店の人に頼んで、お水を貰った。

「ミネラルウォーターだって。カイ、これを飲んで。」

私の言葉を素直に受け取って、カイは水をゴクゴクと飲んだ。

「ごめん。僕、お酒弱いんだ。」

「まだ23でしょ?お酒が強かったら、おかしいじゃない?」

そう言うと、カイは嬉しそうに微笑んだ。

「涼花は、お酒強いの?」

「強いかどうかは、分からないな。ただ普通には飲めるわよ。」
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