年下皇帝の甘い誘惑
ドキドキした。

なんてスラッと、身長の高い人なんだろう。

髪もサラサラで、まるでシュガーボーイみたい。

日本にいたら、アイドルで通用しそう。

「皇帝陛下。かの料理人を、連れてい参りました。」

振り向いた陛下は、蒼い目をしていた。

素敵。絶対、王子様だ。

って言うか、皇帝陛下って言うくらいだから、もう王様なのか。


「初めまして。君が涼花だね。」

「は、はい……」

「カイ・ロン・カイネンだ。皆、カイネンⅢ世とか、陛下と呼ぶ。宜しく。」

「よ、宜しくお願いします。」

急に手を差し出され、無意識に両手で握手をしてしまった。

「ははは。日本人女性は、恥ずかしがり屋だね。」

日本語で話しかけられているのに、なぜか返事ができない。

偉い人だって、解っているからなのかな。
< 8 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop